こんにちは、野田 堅です。
「製造業を転職先に考えているけど、年収が低いと不安だなぁ・・・。」「身体を使うのは得意だけど、転職先として製造業を選んで大丈夫かな・・・。」「肉体労働で身体を壊すのは嫌だから製造業を転職先にするのは悩むな・・・。」そのような悩みを抱えていませんか?
私もインターネットの口コミを調べると、「製造業は負け組」という情報ばかりだったので、転職するときはかなり不安でした。
しかし、実際に私が製造業として働いてみると、前職よりも年収が上がったので、無理なく継続して働くことができています。
憶測だけが書かれている情報よりも、現役社員からの再現性のある情報を知りたいですよね。
そこで、この記事では
- 製造業の年収は低いのか?
- 製造業の年収が低いと感じる7つの理由
- 製造業で年収を上げる3つの方法
についてお伝えしていきます。ぜひ、最後までお読みください。
製造業の年収は低いのか?
結論からいうと、低くはありません。確かに中小企業で経営業績が悪い場合、年収が下がってしまうことはありますが
- 事前に調べて、思い込みの影響を少なくする
- 転職エージェントを利用する
方法でリスクを回避することができます。
製造業の年収が低いと感じる7つの理由
職を変えるにしても、まず考えなければならないのは「年収」ですよね。心理学において、ネガティブな情報は拡散されやすいので、正確な情報をつかみにくいというのが現状です。
そこで、製造業の転職経験者の私が、年収が低いと感じる7つの理由について詳しく解説していきまね。
理由① リサーチが足りていないから
製造業だけでなく他業種にも言えることですが、年収を調べるとき「数字の大きさ」だけを見ていないですか?
自分が生活していくためにはお金は欠かせないので、額面に注目してしまう気持ちは分かります。しかし、年収って私たちが考えている以上に、様々なポイントが組み合わされて決定されていきます。
リサーチするポイントは
- 全業種の平均年収
- 中央値
- 製造業の平均年収
の3つです。
私の場合で考えると次のとおりになります。
全業種の平均年収 | 約430万円 |
中央値 | 約440万円 |
製造業の平均年収 | 約500万円 |
つまり、少なくても430万円~500万円が年収として見込めるわけなので、決して年収が低いとは言えないのではないでしょうか。
インターネットで私が調べた限り、年収1000万円を基準にする方がいますが、国税庁のデータによると全国で5%程度しかいないので、相当スキルの高い人でない限り、現実的ではないですね。
自分で分析するのが面倒な方は、転職エージェント使えば、時間を有効的に使えると思います。
転職するときも、データを活用して企業規模と業績を比較して、転職後の初任給を決定できれば良いですよね。
理由② 残業代で月給が変動するから
製造業における年収は残業代でカバーしている傾向があります。厚生労働省のデータによると製造業全体の1日の所定労働時間は大体7時間30分~8時間位。職業全体の平均と比べても大きな差はありませんでした。
職業全体 | 約7時間45分 |
製造業 【本社事務】 | 約7時間45分 |
製造業 【交代なき勤務】 | 約7時間45分 |
製造業 【2交代制】 | 約8時間 |
製造業 【3交代制】 | 約7時間30分 |
所定労働時間が多いわけではないのにもかかわらず、年収が低いと感じてしまうのは、所定外労働の残業代で、月収が変動してしまうからではないかと考えられます。
私の場合、3交代制勤務の町工場で働いていますが、月によって忙しさが変わります。比例して残業代も変動し、月によって月収が異なるわけです。
出勤日数 | 15日 |
1か月の所定内労働時間 | 172時間 |
1か月の総労働時間 | 180時間 |
出勤日数 | 19日 |
1か月の所定内労働時間 | 212時間 |
1か月の総労働時間 | 228時間 |
月収で比較してもその差は5万円。多くもらえる月は良いですが、少ない月に関しては「頑張って働いたのに給料少ないな・・・。」と感じてしまうのも分かります。
労働基準法では「ノーワーク・ノーペイ(労働基準法 第24条)」の原則があり、繁忙期と平常時の労働時間と給料の差は、時間的拘束力のある製造業では仕方ないことですよね。
お金の問題って大事なので、転職する前に年収についてしっかり人事と話をしておく必要があります。
理由③ 体力を使うから
製造業は体力勝負なところがあります。疲労の研究によると、肉体の疲労は積み重なると精神疲労に影響があるみたいですね。つまり、他の業種に比べて肉体と精神の2倍の疲労感を抱えやすいということになります。
確かに身体が疲れているときって、気分をポジティブに保つのが難しいときってありますよね。スポーツの世界でも常勝チームが過密日程で急に負けてしまうっていうことも多々あります。
力を使う以上、製造業は男性向きの職業ですが、中には軽作業の会社もあって、労働安全衛生法でケガ人が出ないように、作業を安心・安全に進められるようにマニュアル化されています。
メンタル回復のケアは必須ですが、昔に比べたら働きやすい環境になっていると思います。現に力のない私が、5年間も継続できていますし、年収も低いとは感じていません。
理由④ 自分の強みと合っていないから
製造業は簡単な業務が多いですが、その分体力がないとキツイと感じてしまう可能性があります。もし、体力に自信がないのであれば、製造業で働くのはやめておいた方が良いでしょう。また、体力が落ちてしまう40代からの転職もオススメしません。
頑張って働き続けて管理職になり、肉体労働の負担が減ることはあります。長く働き続けるには自分の強みを理解していることが大事です。
自分の強みを把握する手段として1度「VIA強みテスト」を受けた方が良いです。科学的に信頼のおけるテストで、自分の強みがランキング形式で分かるので、転職するときにきっと役に立つはず。
私も実際やってみましたが、特に上位5位が自分の強みの特徴を表しているようで、解説文を読みながら自分が製造業に合っているか考えて、転職を決めてください。
私は職場で仲間と連携を取らなければならないとき、強み1位の「チームワーク」が発揮されていて、製造業としての今の仕事が続いています。
体力だけでも製造業でやっていくには十分なのですが、+αの自分の強みを活かすことで、年収が低いと感じずにやりがいを持って仕事に取り組めるのではないでしょうか。
- 体力
- VIA強みテストの上位5位の強み
理由⑤ 特別なスキルがいらないから
そもそも給料は社内評価で決まるものですが、製造業は体力さえあれば特別なスキルはいりません。つまり年功序列制で年収が決まります。年収の上がるスピードが緩やかなのに、他の社員と業務の差はほとんどない為、比較したときに年収が低いと感じてしまうことはあると思います。
現場では「良い製品」よりも、ロス率の低く抑える方に重点が置かれています。
ロスとは製品製造時のスクラップのことです。
簡単にいいますと、早く作業することが求められるので、やりがいがなく年収が低いと感じてしまうのでしょう。
しかし、私の所属している会社のように、作る製品によっては国家資格が必要な場合もあるので、転職するときに確認してみると良いかもしれません。
スキルが身について仕事をこなせるようになると、やりがいが出てくるかもしれません。
理由⑥ 作業量が多いから
製造業って製品だけ作っているイメージありませんか?実は製品を作るための段取り作業の方が多いです。
① | 伝票記入 |
➁ | 機械温度確認 |
③ | 製品切り替え作業の段取り |
④ | 製品製造管理(目視等) |
⑤ | 製品梱包作業 |
⑥ | 製品原料の攪拌作業 |
⑦ | 梱包資材の段取り |
⑧ | 製品パレット搬出作業 |
⑨ | 工場内清掃作業 |
⑩ | 製品製造工程確認作業 |
⑪ | スクラップ片づけ&ロス率計算 |
⑫ | 他の作業者のヘルプ |
どれも簡単な業務ですが、やることが多いうえに速さが求められるので、慣れるまで大変です。私も新人の頃は作業量の割には給料が低いと感じることもありました。今では坦々とこなせているので、メンタルが1つ要因として挙げられます。
作業内容が負担に感じるのであれば、上司とコミュニケーションをとって助けてもらうのも1つの手ですね。私の場合もよく上司に作業工程を相談して、手伝ってもらっていますよ。
理由⑦ ストレスが解消できていないから
製造業に限った話ではないですが、体力と精神面の2重の負担がある製造業は、上手くストレスが解消できていないと、メンタルが落ち込みやすくなり、仕事に集中できずに年収が低いと感じやすくなってしまいます。
- 闘争・逃走反応
- チャレンジ反応
- 思いやり・絆反応
の3つの反応があります。
特に闘争・逃走反応のケアが肝となっていて、ストレスに対する捉え方が偏っていると、ネガティブ要因に思考が引っ張られてしまい、必要以上にストレスを感じてしまいます。
上手くストレスと付き合っていくには
Ⅰ 闘争・逃走反応の影響を最小限に抑える |
Ⅱ 自分に合ったストレス解消法を見つける |
ことが大切です。具体的な方法(コーピングリスト)については他の記事に詳しく書かれていますので、合わせてお読みください。
【20代必見】仕事の失敗が気まずいときに今すぐできる対処法5選製造業で年収を上げる4つの方法
製造業は年功序列制なので、年収の上がり方が緩やかです。できれば、頑張った成果が早く反映されて年収を上げたいですよね?そこで、年収を上げる4つの方法についてお伝えしていきます。
その1 転職エージェントを活用する
今いる会社の年収が低いと不満があるのなら、転職エージェントに相談して、転職してしまう方が手っ取り早いです。特別なスキルが不要なので、すぐに新しい環境でもなじめると思います。
その2 資格を取得する
製造業ならではの資格がたくさんあります。会社の福利厚生で資格取得支援制度があるのであれば、積極的に活用して、資格手当をもらいましょう。
仕事に関係のない資格を取るのであれば、雇用保険の教育訓練給付を使うことをオススメします。条件によって資格取得するためにかかった費用の20%~50%のお金が戻ってきます。
その3 副業をする
製造業って繁忙期を除けば、定時で上がりやすいですし、時間にゆとりがあるんです。余った時間を有効に使って副業することをオススメします。
派遣バイト、治験やカフェとなんでも良いのですが、特別なスキルをつけて行うインターネット系の副業が良いです。
プログラミング、webライター、ブログはPC1台あれば仕事ができますし、体力の衰える40代、50代でも働きやすいスキルをつけた方が、老後の不安を抱えることなく働き続けることができますよね。
副業の収入があれば、本業の年収が低くても心配ないです。
その4 インカムゲイン目的で金融投資をする
年功序列で年収が上がりにくいのであれば、コツコツと金融投資をして資産からの収入を増やしていく方法があります。
基本的に、インカムゲインを得られる投資は
- ビジネスでロイヤリティを得る
- 不動産で家賃収入を得る
- ペーパーアセット(株やFX)投資で配当収入を得る
の3つがありますが、私のオススメは「FXで配当収入を得る」です。ビジネスは自分の力量次第、不動産はまとまった資金が必要なのでハードルが高いのですが、FXの場合1円単位から投資ができますし、出金機能を使えば税金がかからず配当を受け取ることも可能です。
他の記事に詳しく説明していますので、併せてお読みください。
FX スワップポイントを狙うなら南アフリカランドで決まり!!【3年9か月の運用実績】製造業で働くメリット・デメリット5つ
転職しようか迷っているとき、製造業で働くメリット・デメリット知っておきたいですよね。そこで、簡単に私の経験を踏まえて、製造業で働くメリット・デメリットをあげます。
- 仕事の完成形が見える
- 仕事が定時で終わる
- 仕事内容が分かりやすい
- スケジュールが組みやすい
- 若手の人材不足で転職しやすい
- 年収が上がりにくい
- 社員の替えがきかない
- 肉体の疲労が蓄積する
- ケガしやすい
- 新入社員が入りにくい
【体験談】私が製造業で年収を上げた例
私は、これまで就職と転職に失敗してきました。2回目の製造業の転職で年収を上げた1人です。
2015年 4月 | 新聞販売店 個人宅営業として就職 |
2015年 12月 | 新聞販売店 退職 |
2016年 5月 | 香料会社 法人営業職として転職 |
2016年 1月 | 香料会社 退職 |
2016年 2月 | 製造業 オペレーターとして転職 |
2016年 12月 | 2017年 12月 | 2018年 12月 | 2019年 12月 | 2020年 12月 | 2021年 12月 |
約300万円 | 約370万円 | 約460万円 | 約460万円 | 約480万円 | 約480万円 |
私が分析する限り、今まで就職に失敗してきた要因は
- 営業が自分に向いていなかった。
- 自分の強みを把握しきれていなかった。
- 都心で働きたいというプライドがあった。
もう失敗したくないと思った私は、これまでの条件を変えて転職活動しました。
営業 | → | 製造業 |
コミュニケーションが活かせる仕事 | → | 1人で坦々とできる仕事 |
都心 | → | 郊外 |
製造業でもコミュニケーションは必要だったので、香料会社に働いていたときに身につけたコミュニケーションスキルが役に立ちました。
【もう雑談で悩まない!】コミュニケーション能力を鍛える8つのコツ転職に手間がかかってしまったのは
- 雇用保険の基本手当を知らなったから。
- 転職エージェントを上手く活用できなかったから。
の2点が考えられますね。お金の悩みと転職の悩みをダブルで抱えることになってしまったので、無知って怖いなと思いました。
製造業の転職をスムーズに進めたいのであれば、転職エージェントを活用するのをオススメします。
まとめ
- 製造業の年収は低くない
- 時間を有効に使えば年収は上げられる
- 転職エージェントを活用すれば時間を有効活用できる
男性で体力があって、今までに就職に失敗してきているなら、製造業は合ってかもしれませんよ。